エズラ3章8〜13節「喜びの叫び声と泣き声をささげた」
紀元前587年バビロニア帝国に敗れたイスラエルの民は,捕囚といいまして,奴隷となって外国に幽閉されるという酷い目に遭います。そして,その奴隷生活は50年間続いたのでした。
しかし,ある日突然彼らは解放されます。バビロニア帝国を破ったペルシャ王クロスが帰国命令を出したのでした。そして,彼らは50年ぶりに故郷エルサレムに帰ってくることができたのでした。
そこで,彼らは,先ず何をしたのかといいますと,異常な速さで,神殿の再建に取り掛かったのでした。先ほど読みました聖書の箇所は,この神殿の定礎式のときの人々の様子が書かれてある箇所です。
10節
「建築師たちが主の神殿の礎を据えたとき,イスラエルの王ダビデの規定により主を賛美するために,祭服を着た祭司たちはラッパを持ち,アサフの子らのレビ人たちはシンバルを持って出て来た。」
きょう,加藤さんにラッパを吹いていただいたのは,この時の,彼らの気持ちを再現していただきたかったからです。
この後,この神殿の定礎式は,こんな様子になります。
12〜13節
「最初の宮を見たことのある多くの老人たちは,彼らの目の前でこの宮の基が据えられたとき大声をあげて泣いた。一方,ほかの多くの人々は喜びにあふれて声を張り上げた。そのため,だれも喜びの叫び声と民の泣き声とを区別することができなかった。民が大声をあげて喜び叫んだので,その声は遠い所まで聞こえた。」
ここに,こう記されています。「誰も,喜びの叫び声と,民の泣き声とを区別することはできなかった。」
皆さん,想像してみてください。彼らは,神殿が立つというのを目の当たりにしたとき,万感の思いで,ある者は泣き,ある者は喜びのあまり大声で叫んでいたのでした。
このときのことを想像します時に,私は,彼らがいかに神殿の再建を望んでいたのか・・ 文字通り,神殿再建は彼らの悲願であった・・ その彼らの熱い熱い思いに圧倒されるのです。
なぜ,これ程までに,彼らは嬉しかったのか・・。なぜ,これ程,彼らは涙したのか・・。それは,長い長い捕囚の苦しみがあったからだ」 「それは神殿であったからだ」そういうことを多くの学者は言っているのですが・・ もちろん,そういう要素もあった,と思います。
しかし,時代を超えて,当時のイスラエル人も現代のキリスト者も,神を仰ぎ,神に従おうとする信仰者には,同じ思いがあるのではないか・・,と,私は思うのです。
「この建物が与えられれば・・ この建物によって,今までよりも,もっともっと神さまと真実な関係が与えられ,もっと,確かな歩みができてゆくに違いない・・それこそ大きな恵みではないだろうか・・・。それこそ真の喜びではないだろうか・・・。」
そういう思いが,あったに違いありません。
きょう,私たちは,このように目黒カベナント教会の新会堂起工式を迎えることができました。本当に,うれしい気持ちでいっぱいです。
私などよりも,皆さんのように,10年以上も長い間,この日を待ち望んで・・そして,精一杯の献金を続けてこられた皆さんは,もっと,もっと,その感謝の思いが大きいと思います。
そうです。 教会の会堂が与えられるということは・・そのように,大きな恵みなのです。
皆さんの信仰がますます確かなものになるために・・。そして,この建物で,たくさんの方々が,救われていくために・・。
きょう,私たちは,そういう,神さまの御業が始まってゆく,その起点の,その場に立ち会うことができています。
そういうわけで,私たちは,イスラエルの,あの神殿再建のときに負けない,喜びと感謝を,きょう,神さまにささげてまいりたいと思うのです。
別に,古代イスラエルの人たちのように,オーバーに泣き叫ばなくてもいいのですが・・ 日本人らしく,心の底からの感謝を,静かに,神さまにささげてゆきたいと思うのです。
また,きょう,私たちは,もう一つのことを,今,祈りたいと思います。
それは,「直接この建物の工事にあたってくださる,ペテロ建設のスタッフの皆さんを,神さまが守ってくださるように・・。お一人一人が,神様の栄光のために尊く用いられてまいりますように・・」 お祈りしたいと思うのです。
<祈り>
愛する神さま。
あなたは,この新会堂建設のために,今まで,祈りつつ,一生懸命ささげものをしてきた,お一人一人の,その心の内を・・・ その,言葉にならない,その感謝な思いをご存知です。本当に,ありがとうございます。
また,あなたは,その資金のことを導いてくださっただけでなく,必要な人材もお与えくださいました。 検討を重ねてきた,内藤幸子姉はじめ建築委員会の方々・・。役員会の皆さん・・。・建設委員会のお一人お一人・・。そして,具現化するために,有能なコンサルタントである早津兄を送ってくださいました。・・ ありがとうございます。
そして,きょうから本格的な工事に取り掛かってくださるペテロ建設のスタッフの皆さんをきょうから,本格的に用いようとしてくださっています。
神さま。完成までには,いろいろなことが起こるでありましょう・・。
その間,どうぞ,ペテロ建設さんのスタッフのお一人お一人をお守りくださいますようにお願いいたします。
言い尽くせない,この感謝を・・
われらの主,イエス・キリストの御名によって・・おささげいたします。 アーメン。
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