「私は，今，日本に恋をしている」と発言した，サッカー日本代表監督のザッケロ ーニさんは，先日，記者たちを前にこんなことを言ったそうです。「日本選手の良 いところとして，グループとして勝つ喜びを知っている」

個人で勝とうとするヨーロッパ文化の中で生きてこられたイタリア人のザッケロー ニさんにとって，日本の選手たちがグループで勝つことを目指し，その喜びを大切 にしているのを見てとても感動したのではないでしょうか。私はこの言葉を聞いた とき，その鋭い観察力に驚かされると同時に，この言葉にとても大きな感動を覚え ました。

といいますのは，多くの人はヨーロッパ文化はすなわちキリスト教文化である，と 単純に思っているようです。そして，多く人が，そのヨーロッパ文化こそが聖書の 教えを土台にした文化である，とさえ思っています。しかし，このザッケローニさ んの言葉は，実はヨーロッパにある個人主義はヨーロッパ的文化であって，聖書の 奨励とはかけ離れたものでしかないということを私たちに見事に教えてくれた言葉 であると私は思ったからです。

そうです。聖書の奨励は，「個人で勝利せよ。」と言っているだけではないのです。 　勿論，一人一人が主の前に出て，己の罪を認め，悔い改めて，イエスを我が主と 受け入れることを聖書は求めています。しかし，実は，聖書の奨励はそこにとどま らないのです。聖書は私に勝利者になるようにと語っているだけではなく，私たち に真の勝利者となるようにと奨めているのです。教会の勝利の姿こそが，世の光で あると教えられているのです。あなたは世界の光です。とは語られていません。そ うではなくて，「あなたがたは世界の光です」(ﾏﾀｲ5:14)「だれも神を見た者はあり ません。もし，私たちが互いに愛し合うなら，神は私たちのうちにまっとうされる のです。」（�Tﾖﾊﾈ4:12) と語られているのです。

もし，目黒カベナント教会も日本代表選手たちのように，「彼らはグループで勝つ ことの喜びを知っている」と言われるような教会であったら，どんなにすばらしい ことでしょう。キャプテンの長谷部選手は「一戦一戦が大事」とよく言います。そ うです。私たちも一戦一戦勝利を目指してゆこうではありませんか。そして，今年 はあの大きな一戦が待っています。そうです。会堂建設という一大決戦です。　互 いに祈り合いながら，励まし合いながら，力を合わせ・・そして勝利し，大いにそ の喜びを味わおうではありませんか。